くらし

登米から未来の農業をつくる 伊豆沼農産

登米市と栗原市にまたがり位置する伊豆沼は、夏には鮮やかなハスの花が咲き、毎年越冬する渡り鳥の住みかとなり、季節の移り変わりを感じさせてくれる場所。そんな伊豆沼のほとりにある「伊豆沼農産」は、レストランと農産品の直売所がある施設です。

広々とした直売所内には、スーパーではなかなか目にすることのない新鮮な登米産の野菜が所狭しと並んでいる他、

オリジナルブランドのお肉を使ったハムやソーセージも、目移りする豊富な品揃え。

直売所では後程ゆっくりお買い物を楽しむとして、お隣「レストランくんぺる」へ。

お昼時、賑わうレストランの店内で出迎えてくださったのは、「レストランくんぺる」を営む「伊豆沼農産」スタッフの佐藤裕美さん。佐藤さんと一緒にランチをいただくことに。

頂いたランチメニュー「ジャンボンブラングリル」は、「伊豆沼農産」が作っている数種類のハムとソーセージを楽しめる盛り合わせ。セットのサラダとスープにもベーコンやハムがふんだんに使われていて、ご馳走感たっぷりです。

真に美味しいお肉を極める

きめが細かくほんのり赤みを帯びたこのお肉は、「伊豆沼農産」オリジナルブランド豚の「伊達の純粋赤豚」。2002年に誕生したこの品種は、宮城県大崎市の岩出山の試験場で8年間の歳月をかけて育てられ、実際に赤い毛をしていることから赤豚と名付けられました。「しもふりレッド」のみを純粋交配しているため、生まれてくる頭数が少なく貴重であることが“純粋”といっている所以。

「お肉は売り出す前に食べて確認しています。どんなに見た目が良くても、けもの臭がしないか、みんなが本当に好む味なのかどうか、毎度厳しくチェックしています。そうして売り出せるお肉は、手前味噌ですが純粋に美味しいな、と思いますね。」と佐藤さん。

お肉に並々ならぬこだわりがあるのも、平成元年にはじまった「伊豆沼農産」は、代表の伊藤秀雄さんがドイツ製法のマイスターを持つ知人の力を借りて、養豚と食肉加工からスタートしているから。大量生産・大量消費の農業に疑問を感じ、「本当に美味しい良いものを作っていきたい」という想いは今も一貫しています。

農業を食業に変える

農業から食の仕事「食業」を生み出す「伊豆沼農産」の理念に共感した佐藤さんは、元々、関東で広告関係の仕事をされていました。

「東日本大震災をきっかけに、これからの仕事や暮らしについて考え直したんです。暮らしの根本となる食、それを生み出す農業に自分が携わることこそ、意味があることなんじゃないかと思って。それから宮城に帰ってきて『伊豆沼農産』で働くことを決めました。」

開業当初から他ではやっていない農業を生み出してきた「伊豆沼農産」。現在は、養豚、お肉の加工、減農薬米ひとめぼれ・ブルーベリー栽培などをはじめ、生ハムの原木オーナー制度など幅広く手がけていますが、今後、ますます地域資源を生かしていくことが大切だと、佐藤さんはいいます。

「ソーセージやジャム作りなど、ここで作っている食材を活かした体験はもちろん、登米の地域の暮らしぶりを感じていただけるようなワークショップや、伊豆沼周辺の自然環境を学べるエコツーリズムなど、ご家族やお友達と楽しみながら体験できる農業を、地域の皆さんと一緒に多角的に発信していきたいです。」

レストランの名前にもなっている「くんぺる」は、ドイツ語で仲間を意味します。開業当時の建物はログハウスで、地域の仲間の手によって丸太を組み合わせて作られたという、まさに名前にぴったりなエピソードも。

これからも、「伊豆沼農産」の手がける「食業」、そしてそこから未来の農業がどう広がっていくのかが楽しみです。

 

伊豆沼農産

http://www.izunuma.co.jp/

住所 〒989-4601 宮城県登米市迫町新田字前沼149-7

電話 (代表)0220-28-2986 ※月~土9:00~17:00

(レストラン):0220-28-3131

メール info@izunuma.co.jp