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秋の訪れは「名月」より「栗」で~登米地方の手仕事 自産自消を楽しむTome暮らし~
トメのコメジルシ、Studio.K特派員より、素敵なトメのテシゴトグラシの寄稿をいただきました。
9月も中旬を迎えるあたりになると、佐沼の自宅の花壇には鮮やかな緑色の「栗のイガ」が膨らんできて、栗ご飯のテイストとともに秋の実りの予感。
住宅が建ち並ぶ一角で、庭先にある小ぶりの栗の木は、ちょっとならず不自然かも。
子どもたちが幼いころ、市内の里山を散策した際に拾ってきた栗の実を植えてみたところ、順調に育ってくれて、20年以上も季節の恵みをありがたくいただき続けている。
9月末から10月に入り、緑色のイガに少し茶色が見えてきたタイミングで、晴れ間をみながら2時間ほどの収穫作業。
肥料を追加することもないのに、毎年、30~40個をいただける栗の木に御礼をして採取作業に。
虫除けの薬剤散布もしないので、10個前後は収穫する前に、虫にいただかれてしまうことに。
お隣との距離が近い住宅地のため、薬剤の支援を受けるのもちょっとなので、家庭菜園での野菜作りと同じく、無農薬が大前提。
枝からイガを落とし、1個ずつむいていくのが基本。
ケガと隣り合わせの作業につき、冷静に且つ慎重に。
通常、イガの中には栗が1個で、虫食いの有無を確かめながら集めていく。
収穫したら軽く水洗いをし、キッチンの傍らで少し休ませた後、冷蔵庫の野菜室に。
乾燥し過ぎないように、ペーパータオルで包み、保存袋に入れるのが効果的。
夕食後、奥さんとともに外側の固い皮と内側の渋皮を取り除いていく。
特殊な器具を使うこの作業も、ケガを気にしながら、それでも早く済ませたい。
市販の皮むき器2個が、とても頼もしくありがたい。
収穫から皮むきまでの時間を空けすぎると、渋皮が固まってむきにくくなるため、注意が必要。
収穫した当日か翌日には、皮をむきたいもの。
収穫したてはとても簡単にむけるので、やはり段取りが大切なポイント。
黄色味を帯びた栗の実の本体と、喜びの対面。購入しておいた新米のもち米と合わせ、いよいよ炊飯器で炊き込む栗ご飯。
塩や和ダシを使うとか栗ご飯の素を使うとか、作り方は様々で、それが家庭の味の見せどころ。
そのまま炊き上げて、わずかな甘み&ほくほくした食感を楽しむのもまた、その家庭なりの味わい。
わが家では、30個ほどの栗といっても市販品よりはサイズが小さいので、5合炊きの炊飯器でもち米3合と合わせて「登米のだし」のスープで炊き込みます。
ダシ・スープの量は、白米を炊くときの水と同じ量。
まあ、採り立ての栗ご飯を炊き上げるのは、もち米も「新米」の時期にあたるので、通常よりわずかに少なめかと。
炊飯器をあけたときの香りは、やはり庭先からの採りたて。
口の中に広がるしみじみとした幸せの味わいと一緒に「いただきます」。
食べ過ぎないようにしないと…。
Studio.K特派員さんの、手仕事の写真版
写真展【Reconnect】小野寺和伸 写真展
令和6年10月1日~11月30日(月曜日は休館日)
10:00~17:00(最終日は12:00)
登米祝祭劇場(宮城県登米市迫町佐沼光ケ丘30)