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桜巡りで綴るふるさと~登米地方の手仕事 自産自消を楽しむTome暮らし⑩~

<新しいスタートを喜びつつも…>

世に「2月は逃げる、3月は去る」といわれるように、多くの「なすべきこと」が次から次へと思い浮かぶためか、いつにも増して時間の経過にさいなまれる早春。

これまでの人生の節目で6回ほど転居を経験してきたが、この時期、卒業や進学、就職や転勤など、短期間での物心両面にわたる負担が伴うのも、年度末ならではのものか。

特に、見ず知らずの土地に転居して暮らすことについて、否応なく選択~決定へと進まざるを得ないストレスは、いかばかりかと。季節の変わり目は、それでなくても情緒が不安定に向かいやすいもの。心身の健康には、十分に注意で!

 

<桜は「スタート」や「出会い」のイメージ>

関東以西の「桜」のイメージはといえば、思い浮かぶ歌詞を並べるまでもなく「卒業」とそれに伴う旅立ちや別れのよう。

桜前線の北上に合わせたタイムラグによって、登米地方での「桜」のイメージは、入学や就職などを契機とする「出会い」かと。

暖かな春風と桜の開花に誘われて、登米地方ならではの「知る人ぞ知る名所」を訪れてみようという心情は、地域のことを地域の人が知る良い機会にもつながるものか。

市外から訪れていただく皆さんに、当地ならではの「桜」について、由来も含めて語れるような出会いなどにも、大いに期待したいところ。

かく言う私も、桜前線のニュースに触れるにつけ、カメラとともに「撮りたい桜」を巡り歩くのが、数十年来のルーティーンに。観光客がひしめく「有名どころ」も良いものとは思いつつ、「いつも同じ桜の写真だけ?」と言われながら、ついつい馴染みの場所へと。

<最初に向かう「みやぎの明治村」か>

友人たちや後輩諸君に、市内の開花情報を教えてもらいつつ、撮影を始めていく際に思い浮かぶのは「みやぎの明治村 登米町」の枝垂れ桜。

市の指定文化財でもあり、洗い出し舗装の路面近くまで伸びる枝にほころぶ桜の風情は、とても心が落ち着く景観。水沢県庁記念館を過ぎたあたりで撮影場所を思い描き、路面に近いところから見上げる角度でカメラを向けていく。

さらには、そのまま桜の下を通過して振り返り、北側の丘陵に並ぶ桜を借景に、洗い出し舗装のまっすぐ伸びる路面とマッチするような構成でアプローチしてみると、アングルがタテでもヨコでも納まりがいいと感じるのは私だけ?

【市指定文化財の枝垂れ桜~白壁や洗い出し舗装面と良くマッチ~】

 

みやぎの明治村 武家屋敷通り

宮城県登米市登米町寺池桜小路79

近くに無料駐車場あり

 

 

<みやぎの明治村では、登米懐古館の庭園も活かしつつ>

通りから登米懐古館の門をくぐれば、古民家前の桜に心を惹かれる。ここは花の色が濃く、登米懐古館の屋根に整然と並ぶ登米町産スレートの黒を背景に据えつつ、建物と対比することにより、桜を浮き立たせてみたいところ。

【登米懐古館の門を入ると、古民家前に桜が…】

<長沼もなかなか>

長沼は、水面を背景にして、桜の木が並ぶ方向を意識し、少し高い位置から撮ってみたいもの。

晴天の午前中、それも早めの時間帯なら、青空を映す水面が淡い花の色を引き立ててくれる。

桜を前景にして、風車を仰ぎ見るように撮るのも良い構図。

夕暮れの時間帯、月の出と桜と風車をミックスできれば言うことなし。

【長沼の桜~もう少し早い時間帯なら、花の色も映えるかと~】

 

長沼/長沼フートピア公園

宮城県登米市迫町北方天形161番地84

無料駐車場あり

 

<最多の訪問は「石越」に>

生まれが石越町ということもあり、ついつい気にかかるのは「ノスタルジー」のなせるところか。

目的地は、石越町唯一のお寺・昌学寺。以前、本堂の前に3世紀以上もの樹齢を重ねた枝垂れ桜があり、それを撮るのが年中行事。

されど、桜も命ある存在ゆえ死は免れず、今は写真の中に思い出が残るのみ。


思い出写真館~もうこの桜を見ることは出来ません~

【逆光の枝垂れ桜~写真の中でも優美さは不変~】

 

その寂しさを補って余りあるのが、北側に接する市道との境界付近、墓地の斜面に育っていた枝垂れ桜。境内の枝垂れ桜が失われる数年前から見事な姿となり、墓地サイドゆえに墓石の写り込みを回避するのがなかなか難しいものの、優美さと存在感は格別。

 

 


 

また、市の指定文化財である鐘楼門に向かう参道沿いには今も桜があり、桜と門構えとのコンビネーションは、いつもながら心が惹かれる。

【鐘楼門に向かう参道~ローアングルなら奥の本堂も入る~】

 

【子安観音堂を背景に入れてみるのも】

 

<雲一つない晴天で、無風で、暖かくと>

私だけかもしれないが、桜の撮影には「晴天&青空・無風・暖かい」がそろってほしく、時間帯は午前8時くらいから午前10時30分くらいまでが適しているような。

それを過ぎると、空の青が薄らいできたり、風が出てきたり、空気中に水蒸気が増すためか、シャープな仕上がりが難しくなったりするような気がして。

桜を取り巻く環境のほかにも思うところがあり、天候等の条件しだいではあるものの、葉が出てくる前の時期に撮れればと思う。緑色が入ると、画面が暗めの印象になるようなので、葉が目立たない時期に、葉が目立たないように撮りたいところ。

撮影に「雨」は論外でも、植物の撮影には「潤い」の影響も考えたいもので、欲を言えば撮影の2日前くらいに霧雨などがあると、ありがたいところ。

 

いずれにせよ、相手は「自然」であり、天候などの努力でカバーできない条件は別と切り分け、行動力で好条件を確保するしかないもの。

体がきつくなるか、カメラがもう無理になるか、被写体だけでなく撮影者としても、抗えない条件はあるものの、自産自消の野菜を頼りに、地元の美しさをキャッチし発信していきたいもの。

 

【条件により花の色も映えることに①~昌学寺~】

昌学寺(しょうがくじ)

宮城県登米市石越町北郷赤谷240

 

【条件により花の色も映えることに②~登米懐古館前~】

 

 

登米懐古館(とよまかいこかん)

宮城県登米市登米町寺池桜小路72-6

無料駐車場あり

敷地内散策自由、施設内に入るには要入館料

 

【1998年4月-石越町の昌学寺にて】