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伝統と自然が融合する場所 森舞台
教育資料館から車で約3分。閑静な住宅街に突如現れる木立。グレーを基調としたシックな印象のエントランスを入ると……
佇む木造りの屋根と広場。
お堂の奥には松の絵が描かれていて……そう、ここは、能舞台。
登米の能舞台「森舞台」は、その名の通り森の木立に囲まれ、舞台のすぐ横からは竹林が続き、自然との一体感を際立たせています。空間一体に包まれていく様な、素晴らしい“気”に満ちた場所です。
本舞台の奥、鏡板の松の絵は日本画家千住博氏によるもの。天然緑青(ろくしょう)で描かれた青々とした色が松の存在感を際立たせている
本舞台奥の竹林が涼やか
建築家・隈研吾氏が手がけた能の世界
この美しい能舞台を手がけたのは、建築家・隈研吾氏。平成8年、当時まだ40代だった隈氏と繋がりがあった町がオファーして建設が実現。今や世界的な建築家となった彼の若い頃の貴重な建築を見に、建築を学ぶ学生などをはじめ、多くの人が訪れています。
能舞台を鑑賞する座敷席
奥がガラス張りになっていて、座敷が木立の中まで延びているかの様な一体感
端正に整えられた砂利。禅の空間
また、併設の展示室は、こちらも世界的なアートディレクター・原研哉氏がディレクションしていて、登米能についての資料と美的センスに触れることができるものとなっています。
伝統能から音楽フェスまで
登米には、約300年の歴史と伝統を誇る登米能(とよまのう)があり、「森舞台」では年1回、登米薪能(たきぎのう)の舞台が行われています。日が暮れて、森の暗闇に浮かび上がる能舞台は、幻想的なことこの上ありません。
年1回開催の伝統的な登米薪能には、多くの人が足を運んでいる
「森舞台」の醍醐味は、伝統芸能だけではありません。
自然と一体となった会場を生かした音楽フェス「森波」では、「CAFE GATI」など、登米を拠点に活動する若い世代が企画・運営し、様々なアーティストとゲストが集う場に。伝統的な場所として敷居を高くするのではなく、多目的に使えるところが魅力です。
世界的な建築家とアートディレクターの力を結集させた能舞台に、能だけではなく、さまざまなジャンルの芸能や音楽が集う場所「森舞台」。舞台と空間は月日とともに味を増し、さらなる多様な文化の拠点となることでしょう。
伝統芸能伝承館 森舞台
http://toyoma.co.jp/facilities-densho/
住所 〒987-0702 宮城県登米市登米町寺池上町42
電話 0220-52-3927
開館時間 9:00〜16:30